fascinatly snake.



※チャリレイだけど、できてない設定で。※



 皮膚を破る音が、かしりと禁断の果実に歯をたてる時のようだ。
 とろりと、破れた場所から溢れる血を、チャーリーの舌が掬い、舐める。啜る。喉の、硬いところの感触が気に入ったのか、今日はやたらとそこに触れてくる気がする。
「・・・ソコは食べないほうが、いいんじゃないか。堕落するぞ」
 なにしろ禁断の果実の欠片と言われているところだ。そんな場所を気に入るなんて、あまり縁起のいいことではない。
「ああ、だからでしょうか」
 合点のいった顔で、吸血鬼のくせに罪などひとつも背負っていないような清冽な顔をしてクリスが呟く。
「とても美味しいんです。ここに舌を乗せると。天国の味わいとはこんな感じなのでしょうか」
「馬鹿だな。天国の味がするとしたら、それは地獄のものだろうよ」
「あなたは、私を堕とそうとしているのですか」
「あぁ、美味しいエサで罠にかけようとしてるのかも」
 また吸い付かれて、ごくりと唾を飲み込む。上下するそこに血を乗せるようにしてまた舐める。喉ばかり狙われて穴を開けられるから、きっと傍から見たら壮絶な様子になっているんじゃないだろうか。クリスが全部舐め取ってしまっているから、血濡れということはないが、首回りが穴だらけなんて美しいものじゃないだろう。正直頭に血が廻らなくなってきたのか、ちょっとくらくらして目眩を感じる。それは狂おしい程に。あぁ、でもこの感覚、悪くはない。このままクリスに喰いつかれて、覚めない夢に捕まるように、どこまでも沈んでいってしまうのもいいかもな。
「・・・貴方が、誘うから」
「ん?」
「貴方、ひどく気持ちがよさそうで。やめられなくなってしまいそうなんですよ」
「ふふ、堕落への誘惑に乗ろうなんて、お前らしくもない」
 クリスが抗議するように、おしゃべりを止めさせようと唇に指を添えた。おしゃべりは止められても、動きまでは封じることはできないぞ。口を開いて中に誘う。指に、舌を巻きつければ、やんわりと指で拘束されてしまった。 舌を掴まれては話すこともできない。ただ、視線だけでクリスを挑発する。誘惑に負けて落ちたって、クリスはどこまでも透き通っていて、まっすぐで、とても綺麗だ。共に居ると、自分まで高みへと連れていかれるんじゃないかと錯覚するほどに。
「魅惑的すぎるんですよ、誘う蛇が」
「・・・・・・ん」
 先の割れた舌を揶揄して蛇と呼んだのか。それとも堕落に誘惑するから?
「ねぇ、マスター。ここからいただいても?」
 清潔でありながら、やたらと艶を含んだ声でクリスが伺いを立てる。ここ、とは掴まれた舌のことだ。別にクリスにだったら身体じゅうどこから吸われたって文句はないが、いいのか? だって、それでは、まるで―――、
「キスしたいってのなら、好きにすればいいい」
「違います。食事、です」
 やめておいた方がいい。でもレイフロの魂の中の悪魔は綺麗なクリスを誘惑したくてのたうちまわっている。本当に、身の内に蛇を飼っているようだ。蛇と、クリスの双方に先を急かされる。「さぁ、その身に流れるものを差し出せ」。息も忘れるくらいに切なくて切なくて、とても自分に抵抗できるはずがない。
 震えるように目を閉じて舌を差し出せば、即座に敏感な場所に牙を立てられて痛みが背筋を走った。じゅるりと音をたてながら、味覚を刺激した鉄味が根こそぎもっていかれる。
 あぁ、きっとこれって最初で最後のキスなんだろうな。そうであれば、どんなに痛くされたって構わない。できるだけ長く続けてほしい。この際、悪魔でもいいから、縋りつきたいくらいの願望。このまま時間を止めてくれ。










 最近リピで聞いてる曲で、チャリレイを書かないとどうにも落ち着かない! と、カッとなって書きました。なんとも中途半端な内容で申し訳ない。そしていろいろ説明も不足してる・・・。
 最近の曲で、歌っているのはV系の大御所バンドでボーカルが女の子みたいに美人さん。といえば邦楽を普段から聞いてる方なら、どの曲をネタにしたか分かっていただける・・・かな? ワードもけっこう文章に組み入れましたし。意味不明な程にね(^_^;)
 熱心なファンな方に申し訳ないので、ここで誰々のどの曲。とは言いませんが、気になる方がいましたらこっそりるをいまでお問い合わせくださいませ。るをいの書いたヘタレ文章では分かりにくいですが、ほんとかっこいいんですよ、あの曲!
 男女の間の曲と思って聞いてたのですが、どうもプロモーションを考えると(メンバー♂同士でのキス現場をゴシップ誌に載せるとか)BLチックに聞いてもいいのかなと。
 別室の前回がベッドシーンありだったので、今回はお食事だけの話にしてみました???でも、どっちにしてもたいして違いはない気もします。