あいえ様からの頂き物ですv



かくして、創造主の下に一同は集められた。
世界中へ『不死の商人』として、また情報収集を目的として派遣されていたもの、諸般の雑務をこなしていたものからラボラトリーでサンプルとして実験中だったのもまで。
アルフォード・ウェインはホールに集まった『レイフロ達』を満足気に見下ろしていた。

「好きなのを選んで持って帰りたまえ。勿論この中には君の『マスター』もちゃんといる。さぁ、君に『本物のレイフロ』が見分けられるかな?」

ホール全体が見渡せる二階の席にアルフォードとチャールズは居た。
自分だけ尊大に腰掛けているゴシック調の椅子は、アルフォードの背には少し大きすぎるように見えた。
葉巻独特の匂いが鼻をかすめ、チャールズを不快にさせたがそれどころではない。
ホールには何十人ものレイフロの形をしたものが居り、近くに居るもの同士で歓談している者も居れば、無関心にぼんやりしている者、壁際からホールの様子をうかがっている者、こちらへ気安く「チェリー!」と呼びかけている者も何人か居る。
しかし、あれほど求めた姿であるはずなのに、チャールズには主人の気配が嗅ぎ分けられないでいた。
そうであることを予想していたアルフォードは隠しもせず、口角を上げる。
「下へ行こう」
チャールズを伴い、アルフォードはレイフロ達が集められているホールへと向かった。

「チェリー!」
「俺だよ!」
「俺が本物だって!」

よく見る黒いシャツのレイフロの姿をしている者やラフなジャケットを着ている者がチャールズを取り囲んだ。
近くで見ても全く分からない…。
どれも『マスター』のように見える。
その様子を『本物』は壁際からじっと黙って見ていた。

チャールズが困惑していると、向こうから静かにまたレイフロが近づいてきた。
「家に帰って神に祈りを捧げよう、クリス」
そのレイフロには髭もなく、常なら散らかっている髪もすっきりと後ろで一つに束ねられていた。そして、チャールズにとってはとても懐かしい思い出の中のレイフロと同じように黒い司祭服を身にまとっていた。

「はい、マスター!」

嬉しそうに頬まで染めて神父姿のレイフロの手を握るチャールズに慌てたのは壁際に居たレイフロのオリジナル。
「待てコラ、チェリー!」
そんなレイフロの声など聞こえないような足取りでチャールズは神父姿のレイフロコピーを家に連れて帰った。










『HONEY BLADE』のあいえさんより今年の8月(原作20章の時点)にいただいたものです♪
なんと当サイト初公開
どうですレアでしょう(自慢)。

もうヘタレなチェリーが情けないやらかわいいやらvvv
そんなに神父姿のマスターが好きなのね!
「多分このあとレイフロが無理矢理チェリーを引き剥がしたはずです(笑)」とはあいえさんからのコメントです。その光景が目に浮かぶようで微笑ましいですね(笑)。
本当にあいえさんのSSはどれもこれも素敵で大好きです(告白)。
先日はこのように素敵な品物をいただきましてありがとうございました。

とても素敵な作品ですが、無断転載はくれぐれもご遠慮願います。
どうぞご了承くださいませね。



2010.11